2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

運命という見えない力 トマス・ハーディ『呪われた腕 ハーディ傑作選』

呪われた腕: ハーディ傑作選 (新潮文庫)作者:ハーディ,トマス新潮社Amazon「ハーディを読んでいると小説が書きたくなる」という村上春樹の言葉が、ハーディの短編の魅力を端的に語っていると思う。新潮文庫の復刻・新訳シリーズ「村上柴田翻訳堂」の一冊で、…

探偵と語り手の意外な関係 坂木司『青空の卵』

青空の卵 (創元推理文庫)作者:坂木 司東京創元社Amazon「ひきこもり探偵」ってちょっと変わってるな、いわゆる安楽椅子探偵の進化形? 坂木司の『青空の卵』。図書館でふと目に留まり、何の予備知識もなく読み始めた。それなりにおもしろかったんだけど、予…