2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

私(たち)の記憶 磯﨑憲一郎『往古来今』

往古来今 (文春文庫 い 94-1)作者:磯﨑 憲一郎文藝春秋Amazon こんな遠くまで行くのかという驚きとともに磯﨑憲一郎の『往古来今』を読み終えた。「私」の記憶が、「私たち」の記憶になり、世界へと移り変わっていく。 『古今往来』ではなく、『往古来今』。…

時間と距離の遠近法 G・ガルシア=マルケス『十二の遍歴の物語』

十二の遍歴の物語 (新潮・現代世界の文学)作者:G.ガルシア マルケス新潮社Amazon ガルシア=マルケスと言えば、『百年の孤独』。コロンビアの架空の村コマンドを舞台にブエンディア一族の100年にわたる盛衰描いた長編小説は、圧倒的な密度、スピード、展開で…