2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

アンパンマンは中世的? ホイジンガ『中世の秋』

中世の秋 上巻 (中公文庫 D 4-3)作者:ホイジンガ中央公論新社Amazon 中世ヨーロッパと聞いて何を思い浮かべるだろうか。騎士道精神、王侯貴族の宮廷生活、教会の権威、魔女狩り…。いくつか単語が断片的に浮かぶ程度。そんなぼくが読んでもおもしろいのが、歴…

「いい子」の正体 青木淳悟『いい子は家で』

いい子は家で作者:青木 淳悟新潮社Amazon こわっ! っていうのが最初の感想。じゃ、いったい何がこわいのか、それを説明するのは、難しい。宮内孝裕と名乗る次男の視点から、たんたんと家族の話が語られる。会社勤めを辞めてふたたび同居するようになった長…

意外にコンサバ? 赤坂真理『ミューズ』

ミューズ (講談社文庫)作者:赤坂 真理講談社Amazon 関西生まれ、関西在住なので、関東の地理がわからない。東京の地名を聞いても、それによって喚起されるイメージはとぼしい。『ミューズ』では成城という地名が重要な意味を持つ。成城の矯正歯科で歯列矯正…

キャラにはじまり、キャラにおわる 白岩玄『野ブタ。をプロデュース』

野ブタ。をプロデュース (河出文庫)作者:白岩 玄河出書房新社Amazon天然、いじられ、毒舌、切れ、萌え、お馬鹿など、いつごろからか人の性格を評するとき、キャラという言葉を使うようになった。『野ブタ。をプロデュース』の桐谷修二なら、チャラ男キャラと…