2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

GOD登場 筒井康隆『モナドの領域』

モナドの領域作者:筒井 康隆新潮社Amazon『虚人たち』『夢の木坂分岐点』『朝のガスパール』『パプリカ』など、筒井康隆はこれまでずっと虚構と現実がせめぎ合い、虚構が現実を圧倒する瞬間を捉えようとしてきた。もちろん筒井康隆の仕事は幅広く、初期のブ…

人はなぜ遅れるのか 夏目漱石『それから』

それから (新潮文庫)作者:漱石, 夏目新潮社Amazon いきつけの飲み屋のおにいさんが「小説って10代の主人公が多いでしょ」と言ってきた。自分と同じ30代が主人公の小説を教えてほしいという。確かに30代の主人公というのは、少ないかもしれない。小説というの…

「人間」の終わり その2 グレッグ・ベア『ブラッド・ミュージック』

ブラッド・ミュージック (ハヤカワ文庫SF)作者:グレッグ・ベア,小川 隆早川書房Amazon サイバーパンク第2弾はグレッグ・ベアの『ブラッド・ミュージック』。前回紹介した『ニューロマンサー』は電脳世界を駆け抜けるSF的冒険活劇とでもいうスリルとサスペン…

「人間」の終わり その1 ウィリアム・ギブスン『ニューロマンサー』

ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)早川書房Amazon ウィリアム・ギブスンの『ニューロマンサー』といえば、80年代SFの新潮流であるサイバーパンクの代名詞。今読むと、映画や小説などいかに多くのジャンルを超えた作品が、『ニューロマンサー』の影響下にあ…