ドイツ文学

無意識からの誘い シュニッツラー『夢小説・闇への逃走 他一篇』

夢小説・闇への逃走 他一篇 (岩波文庫) 作者: シュニッツラー,Arthur Schnitzler,池内紀,武村知子 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1990/11/16 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 20回 この商品を含むブログ (4件) を見る 本書『夢小説・闇への逃走 他…

少年の世界 その1  エーリッヒ・ケストナー『エーミールと探偵たち』

エーミールと探偵たち (岩波少年文庫 18)作者:エーリヒ・ケストナー岩波書店Amazon 田舎の少年エーミールは、休暇にベルリンのおばさんのところに行くことになった。母親から140マルクという「大金」を手渡されたエーミールは、それを上着の内ポケットにしま…

影とは何か その1 シャミッソー『影をなくした男』

影をなくした男 (岩波文庫)作者:シャミッソー岩波書店Amazon「どこに影を置き忘れてきなさった?」 「あれまあ、あの人、影がないじゃないの!」 「ちゃんとした人間なら、おてんとうさまが出りゃあ影ができるのを知らねえか」 主人公ペーター・シュレミール…

魂の両義性 フーケー『水妖記(ウンディーネ)』

水妖記―ウンディーネ (岩波文庫 赤 415-1)作者:フーケー岩波書店Amazon ドイツロマン派の作家フーケーによる異類婚姻譚。深い森を抜け、湖のほとりにある貧しい漁師の小屋に一夜の宿を求めた騎士フルトブラントは、そこで目の覚めるようなブロンドの美少女ウ…

二次元の嫁? ホフマン『黄金の壺』

黄金の壺 (岩波文庫)作者:ホフマン岩波書店Amazon 何をやってもダメな大学生アンゼルムスが黄金に輝くかわいい小蛇(!)にひとめぼれ。「(…)愛らしい金の蛇たち、どうかもう一度あの鈴のような声を聞かせておくれ! もう一度だけぼくに目をむけてくれ、き…

死にかたカタログ ギュンター・グラス『ブリキの太鼓』

ブリキの太鼓 1 (集英社文庫)作者:ギュンター・グラス集英社Amazon 池内紀訳の『ブリキの太鼓』が出てる! ここ10年ぐらい、いろんな作品の新訳ラッシュ。新訳がいいとはかぎらないけど、集英社文庫版の翻訳、いまいちだったしなあ。 何年か前に『考える人』…